皇室を敬愛し、今後の末永いご発展を願う者にとって、
どうしても見逃せないのは、これまで繰り返されて来た
皇室への心ない“バッシング”だ。中でも、「保守系」知識人による執拗な誹謗中傷が
幾度も行われて来た事実は、異常と言う他ない。例えば、(個人的には、以前に些かご縁があったので、
ここで取り上げるのは少し気がひけるが)西尾幹二氏。月刊誌『WiLL』平成20年5・6・8・9月号に
「皇太子さまに敢えて御忠言申し上げます」シリーズを書き続けた
(“忠言”とは真心を尽くして諌める言葉、又はその事)。
「御忠言」という殊勝なポーズは、タイトルだけの話。
中身は、確かな事実に基づかないで、不遜、不敬な言辞を
連ねたものだった。
悪質なバッシングに悩まれ、長いご療養を続けておられた
皇后陛下(当時は皇太子妃)に対し、ご公務が果たせないなら、
実家が「引き取るのが筋」(小見出し)と言い放ち、
「天皇制度の内部に入ってそれを内部から少しずつ崩して
いるいわば獅子身中の虫」と迄、極言した(5月号)。
あろうことか、皇后陛下を名指しして、“獅子身中の虫”と
断罪したのだ。
その上で、皇室ジャーナリストの松崎敏彌氏の
「場合によっては秋篠宮への皇統の移動も視野に入れる
必要がある」との、まさに“廃太子”を企むに近い言葉を
わざわざ引用して、自らの本心を滲ませた。同氏は、天皇陛下をはじめ皇室の方々を「彼ら」
呼ばわりした上で、遂に以下のような“恐ろしい”発言を行った。「私は皇太子ご夫妻(天皇・皇后両陛下)が…皇族としての
ご自覚にあまりにも欠ける処があることをはっきり申し上げた。
国家ということ、公ということをお忘れになっていないか。
日本の国民と一緒に共感共苦するお心ざしがあまりにも
乏しいのではあるまいか。
一口で言えば『傲慢』の罪を犯しておられるのではないか。…『国難』について私は語ってきたつもりだ。
それは皇太子妃殿下(皇后陛下)の心に宿る『傲慢』の罪に
由来すると見た」(6月号)引用することすら申し訳なく、
畏れ多くて、憚られるような暴言だ。
これほど迄の「『傲慢』の罪」を、私は他に余り見たことがない。これらの記事が載った時の同誌の編集長は、花田紀凱氏。
かつて、『週刊文春』が上皇后陛下(当時は皇后)への
バッシングを繰り返し、果てに上皇后が悲しみとお疲れの
余りお倒れになり、半年もの間、失声症に苦しまれた時の
編集長も同じ人物。
又々「売れるので続けたと思います」
(その頃、『週刊文春』編集部にいた人物)だったのか。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ
前の記事へ論点を網羅、有識者会議の10項目
皇后陛下を仮病扱いした「保守」知識人次の記事へ